腸内フローラ検査「マイキンソー」をやってみた。

皆さまこんにちは。腸内環境や腸内細菌、土壌菌に関する情報をリサーチしていく中で、日々、腸内環境が健康に重要であるかということが肺腑に浸みている株式会社ソイルキュアの二階堂です。
現在までに「超健康な人の腸内細菌に共通している腸内細菌環境は多様性が高い(※1)」や「土壌微生物と腸内細菌との間には密接な関係があるようだ(※2)」といった内容の論文にも出逢い、頭での理解と自身の体感を紐付けながらソイルキュアを飲み続けていますが、実際に自分の腸内環境はどのような状態なのかを把握できるデータはありませんでした。

そんな中、ずっと気になっていたのが自宅でできる腸内フローラ検査「マイキンソー」。
医療機関に行かなくても、キット購入〜検査結果の閲覧までを、ほぼオンラインで完結できる腸内フローラ検査です。
この検査では、「あなたの腸内細菌タイプ」、「腸内細菌割合(門:Phylumレベル)」、「多様性と太りやすさ」、「主要細菌の割合(ビフィズス菌・乳酸産生菌・酪酸産生菌・エクオール産生菌)」を知ることができるとのこと。
Amazonで購入可能で、価格は19,800円(税込)、、お手頃な金額とは言えませんが、この検査データが今後の研究計画立案の参考にもなるかもしれないという思いもあり、今回トライしてみることにしました。

(※1)参考文献:mSphere/Vol.2,No5/The Gut Microbiota of Healthy Aged Chinese Is Similar to That of the Healthy/27 September 2017
(※2)参考文献:Microorganisms. 2019 Sep; 7(9): 287. Published online 2019 Aug 23.

まずは腸内細菌叢に影響がありそうな私の生活習慣等をざっくりとですが共有させていただきます。

自然豊かな沖縄県南部在住の40歳女性。基本的にあまり遠出はせず、家と職場と子供の稽古場とジムを行き来しています。同棲しているペットは1わん、2ちゅう(ラット)、3にゃんの計5匹。すべて室内っ子です。
平均睡眠時間は6〜7時間程度。運動習慣は軽度なメニューをほぼ毎日30〜1時間程度実施しており、現在のBIM値は21です。
飲酒習慣はなく、昼食においては外食が多くなっております。食品を購入する際には裏面パッケージの原材料欄はチェック・比較しますが、強固なマイルールはありません。
食事量は第三者からは「よく食べるよね」と指摘されることが多いです。
最近の好きな食のジャンルはタイ料理です。(私の推しタイ料理レストランは那覇市にあるスパイスハーブホリデーです。)
そして、ソイルキュアの愛飲歴は5年、1日2回、朝と夕食前に摂取しております。

朝の定番:無味ホエイプロテイン+さし草粉+SOILcureパウダー入りドリンク
夕食前の定番:いろんな野菜や果物&SOILcureパウダーMIXスムージー。

唐突ですが以下参考までに、、生活環境・生活習慣等と腸内細菌叢との関連について書かれている論文をいくつかご紹介いたします。
⬛︎パプアニューギニア(PNG)の2つの非工業化地域の成人の糞便微生物叢を、米国(US)居住者のものと比較した論文。
Cell Rep.2015;11:527-538.
⬛︎ヒトとペットのアレルギーと腸内細菌叢
阪口雅弘, ヒトとペットのアレルギーと腸内細菌叢, ペット栄養学会誌, 21(3):152-153, 2018
⬛︎腸内細菌群の多様性がヒトの睡眠生理と関連すること
PLoS One. 2019 Oct 7;14(10):e0222394.
⬛︎運動と腸内細菌叢
森田英利,運動と腸内細菌叢,腸内細菌学雑誌,34:13-18,2020

検査項目にある腸内細菌タイプ(エンテロタイプ)とは!?

次世代シーケンサーという遺伝子解析機器の登場によって、腸内細菌叢の研究が飛躍的に加速する中、腸内細菌叢も血液型のような型(タイプ)に分類できることが分かってきています。
現在は腸内細菌叢は大きく4つのタイプに分類されていて、これは「エンテロタイプ」と呼ばれています。
世界的に知られているエンテロタイプとして、Prevotella型(P型)Bacteroides型(B型)Ruminococcus型(R型)に分類する方法が知られています。

マイキンソーにてそれぞれのタイプの特徴が紹介されておりますので、以下に引用させていただきます。

B型:バクテロイデス属の細菌が多いタイプ。動物性タンパク質や脂質を摂取する食習慣との関連が報告されています。脂肪を燃焼する作用が強く、肥満を予防する働きが強いタイプと考えられます。現在の日本人に一番多い型で、8割がこのタイプに該当するのだそうです。

P型:プレボテラ属の細菌が多いタイプ。炭水化物、糖質、食物繊維を摂取する食習慣との関連が報告されています。トリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)値が上昇し、コレステロール値が高くなりやすいタイプと考えられます。

R型:ルミノコッカス属の細菌が多いタイプです。炭水化物・脂質・タンパク質いずれにも偏りが少ない食習慣の傾向があると言われています。ビタミンB群の合成能が低いタイプと考えられます。

混合型:R型、B型、P型のうちの2種類の混合型です。1種類の属の菌が優勢でない場合は、この型に分類されます。

2022年12月に公開された論文(※3)では、便のエネルギー密度とエンテロタイプは関連しているということが明らかになっています。
この研究の中で、B型が最も食物からエネルギーを取り出すのに優れており、また、便の腸管通過時間が最も短いことが観察されたそうです。これ以前の研究でも、B型が他の腸管型に比べて糖質代謝とタンパク質代謝の両方で高い代謝能力を持つことが示されています。その反面、吸収する量が消費する量を上回った場合、腸内細菌が提供する余分なエネルギーが、長期的に肥満のリスクを高める可能性があるとのこと。

R型ではB型やP型に比べてα多様性が高く、糞便や尿中の微生物叢由来のタンパク質分解代謝物量が多かったことから、大腸のタンパク質分解が増加し、より複雑な微生物生態系が形成されていることが示唆されています。これは、R型では腸管通過時間が長いことが原因である可能性があるということです。
また、R型ではB型に比べて、大腸のエネルギー抽出効率が低いことを示唆している可能性があるとのこと。R型はB型に比べ、体重が有意に少なかったということです。P型はB型とR型の中間に位置したそうです。

(※3)「便のエネルギー密度は腸管通過時間に正の相関があり、微生物腸型と関連している」Microbiome volume 10, Article number: 223 (2022)

腸内細菌割合に登場するそれぞれの細菌(門レベル)の特徴について

ヒトの腸内細菌叢は各個人固有のものとされていますが、主たる菌の分布としてバクテロイデーテス門、アクチノバクテリア門、ファーミキューテス門、プロテオバクテリア門の4つの門に属する菌で構成されていることが確認されています。
成人の腸内細菌では日和見菌に分類されている「バクテロイデーテス門」と「ファーミキューテス門」の2種類が優勢となります。

「バクテロイデーテス門=ヤセ菌」「ファーミキューテス門=デブ菌」と呼ばれていることも多いですが、京丹後市で行われたコホート研究(※4)によると、健康長寿の人にデブ菌と呼ばれるファーミキューテス門が多いということが明らかになっています。
もともと、ファーミキューテスとバクテロイデテスの間の比率(F/B比)は、肥満のマーカーであることが示唆されていました。
しかし、Firmicutes/Bacteroidetesの比率はエネルギー収穫マーカーと相関がなく、微生物組成とエネルギー収穫能力との関係はこれまで考えられていたよりも複雑であるとされてることから、今日では肥満の関連マーカーとは考えられていないということです。(※5)

そのため、私はF/B比の結果は参考までにとさせていただこうかなと思います。

それぞれの門レベルでの細菌の特徴についてもマイキンソーの中で紹介されておりましたので、以下に引用させていただきます。

バクテロイデーテス門:人間の腸内に非常に多く存在する腸内細菌の代表格。腸管免疫に重要な影響を与えていると考えられています。
ファーミキューテス門:善玉菌として知られる「乳酸菌」と呼ばれる菌グループや、悪玉菌の代表格であるウェルシュ菌など、多様な菌種が含まれる門です。
アクチノバクテリア門:善玉菌として有名な「ビフィズス菌」はここに含まれます。
プロテオバクテリア門:腸内細菌として有名な「大腸菌」や、ピロリ菌、カンピロバクターなどが含まれる門です。 
フソバクテリア門、シネルギステス門、レンティスファエラ門、その他:保有している人は非常に少ない。 

(※4)Naito Yuki,et al.”Gut microbiota differences in elderly subjects between rural city Kyotango and urban city Kyoto:an age-gender-matched study.”Journal of clinical biochemistry and nutrition:19-26,2019
(※5)Murphy EF, Cotter PD, Healy S, Marques TM, O’Sullivan O, Fouhy F, et al. Composition and energy harvesting capacity of the gut microbiota: relationship to diet, obesity and time in mouse models. Gut. 2010;59:1635–42

それでは、私のマイキンソー結果をお見せしたいと思います。

まず、私の腸内細菌タイプ(エンテロタイプ)はこちら。
バクテロイデス属の細菌が多いタイプであるB型でした。
R型ではないだろうという自覚があったので、これは納得の結果でした。

腸内細菌割合はこちら。
私の結果はバクテロイデーテス門32.84%、ファーミキューテス門55.88%、アクチノバクテリア門5.56%、プロテオバクテリア門3.76%、フソバクテリア門、シネルギステス門、レンティスファエラ門、その他1.96%でした。

多様性と太りやすさはコチラ。
腸内細菌の多様性は平均値よりやや高いという結果でした。
FB比による太りやすさは正常上限より高いですが長寿寄りとも言えるということで、、🙄
ただし!腸内細菌タイプがエネルギー抽出能力の高いB型ですので、やはり食事量には注意が必要ですね。
いただいたアドバイスはしかと心に留めて生活しようと思います。

主要細菌の割合はコチラ。
主要細菌の割合はすべて正常範囲内でした。
乳酸産生菌の割合は平均値と比べると低いですが、ビフィズス菌、酪酸産生菌、エクオール産生菌は平均値より高い割合でした。

ソイルキュアを習慣的に摂取する前のデータがないこと、n数が私1人と圧倒的に少ないこと、1回しか検査を実施していないことなど、今回の検査データだけではソイルキュアが私の腸内細菌叢にどのように影響しているのかは正直全く分かりませんが、ひとまず自身の腸内環境が知れて良かったと感じています。
ソイルキュア摂取前のデータがないのが何より悔やまれます。
皆様の中で、新たにプロバイオティクスやプレバイオティクスを摂り入れる予定がある方がいれば、摂取前後で比較してみても面白いかもしれません。
私は生活習慣や食習慣に変化をつけてみて、また再検査を実施してみたいと思います。
かなりマイペースなブログ更新で大変恐縮ですが、また続報をお伝えできればと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

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