アラフォーあるある!?「食べる量は前より減ってる気がするのに…」太りやすくなった?──「中年太り」を腸内細菌の研究から考えてみました。

いよいよ夏本番ですね。
これから夏に向けて服の布面積が少なくなってくると、
服は少しずつ軽くなっていくのに、脱げない”皮下脂肪の厚着”が無視できなくなってくるなんてことも…😨
ここで、みなさんにちょっと不思議な質問です。
「食事の量は昔より減っているはずなのに、なぜかワガママBODYへ育ってきてる……」
そんな『中年太りの不思議』を感じたことはありませんか?
調べてみると、この不思議な現象にも、腸内細菌がつくる「短鎖脂肪酸(SCFA)」が関わっている可能性が、近年の研究で示唆されるようになってきました。
「食べる量は前より減っている気がするのに、なぜか昔より太りやすく感じる。」
そんな身体の変化も、単純に「歳をとったから」の一言では片付けられないのかもしれません。
そして、この話を聞いて前回のブログ、
「【実話】「母の食欲が戻りました」というお便り。学びを深めた今だから確信できる「腸・脳・身体」の法則。」
を読んでくださった方は、
「え?前回は食が細くなった方の『食欲が戻る(=食欲が増す)』というお話だったのに、今回は食べ過ぎを防ぐ『ブレーキ』の話?なんだか真逆じゃない?」
そう思われたかもしれません。
実は、この二つは決して相反するものではありません。
どちらも、お腹の中で行われている”交通整理”と深く関わっている可能性があるのです。
食欲が落ちて必要なエネルギーを十分に取り込めなくなっている状態も、
反対に、必要以上にエネルギーを溜め込みやすくなってしまう状態も、
実は身体の中では、同じ「交通整理」のバランスが崩れているサインなのかもしれません。
今回は、そんな『中年太りの不思議』を、近年注目されている「短鎖脂肪酸(SCFA)」という物質を通して、一緒に考えてみたいと思います。
カギを握るのは、お腹の中の「天然のブレーキ」。

私たちが食べたものが「脂肪」になるか、それとも「エネルギー」として消費されるか。その大切な交通整理を行っているのが、腸内細菌が食物繊維を分解して作る「短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)」という物質です。
この短鎖脂肪酸、実は全身の細胞に届くと、エネルギーを取り込みすぎるのを防ぐ”天然のブレーキ”のような役割を果たしてくれます。
実際に、GPR43(短鎖脂肪酸受容体)に関する研究では、短鎖脂肪酸がこの受容体を介してエネルギー代謝や脂肪組織の働きに関わっていることが報告されています。こうした研究からも、腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸は、身体のエネルギーバランスを保つうえで重要な存在として注目されています。
腸内細菌たちが元気だと、このブレーキがしっかり働いて、過剰な溜め込みを防ぎ、太りにくいカラダを裏で支えてくれるんです。
「昔と同じ(いや、昔より少ない)量しか食べてないのに、なんだかBODYがワガママに育ってきてるな…」と感じるときは、このブレーキがちょっとかかりにくくなっている可能性があります。
菌たちがバトンを繋ぐ「エネルギーリレー」。

じゃあ、そのブレーキ(短鎖脂肪酸)をしっかり働かせるにはどうすればいいの?と思いますよね🤔
よく「これを食べれば痩せる!」みたいな特定の菌が注目されがちですが、最新の研究ではちょっと違うことが分かってきました。
特定の菌だけを大量に摂るよりも、「多種多様な菌たちが、リレーのように次々とバトンを繋ぐこと」で、短鎖脂肪酸が効率よく作られるのだそうです。
お腹の中に、いろんな種類の菌がワイワイ働いている多層的な「生産ライン」を育ててあげること。
それが、年齢とともに感じる「痩せにくさ」を考えるうえで、大切なカギになると期待されています。
「食欲」も「代謝」も、すべては繋がっている。
ここで、前回のブログのお話につながります。
「食欲が戻ること」と、「溜め込みすぎないこと」。
一見すると正反対のように思えるこの二つですが、実はどちらも、短鎖脂肪酸が関わる身体の仕組みの一部として考えられています。
短鎖脂肪酸は、お腹の中だけで働く物質ではありません。
腸で作られたあと全身へ運ばれ、脳や脂肪組織など、さまざまな場所で情報をやり取りしながら、身体のバランスを支える役割を担っていることが分かってきています。
▪️食が細く、必要なエネルギーを十分に摂れないときには、
➡️ 脳やホルモンの働きに関わりながら、食欲やエネルギー代謝を支える可能性が報告されています。
(※これが前回のブログのお話です💡)
▪️一方で、エネルギーを溜め込みすぎやすい状態では、
➡️ 脂肪組織などに働きかけ、エネルギーバランスの維持に関わっていることも報告されています。
海外の著名な研究などでも、短鎖脂肪酸が脳の視床下部やエネルギー代謝の恒常性に深く関わっていることが広く報告されています。
つまり、前回の「食べる力(食欲)」のお話も、今回の「代謝」のお話もどちらも、お腹の中で多様な腸内細菌たちが力を合わせて作り出す短鎖脂肪酸が、身体全体のバランスを支えているという、一つの大きなストーリーにつながっていたのです。
無理な制限ではなく、土台のラインを整える習慣を
若かりし頃は、「とにかく食べるのを我慢!」だったり、「痩せる」と聞けば、その食材ばかり食べてみたり…。
そんな時代もありましたよね😮💨
しかし、私も大人になってわかった大切なことは、「我慢すること」ではなく、身体が本来持っている調整する力を発揮しやすい環境を整えてあげるということです。
多様な菌たちが力を合わせてエネルギーの生産ラインを支え、「今のあなたにちょうどいい代謝バランス」を目指していく。
そんな考え方が、これからの腸活にはますます大切になってくるのではないでしょうか。
もし、
「最近なんだか食べる量は減ったのに痩せにくい。」
「食べても食べなくても、身体が思うようについてきてくれない。」
そんな違和感を感じているなら、
それは、お腹の”交通整理”が少しうまくいっていないサインなのかもしれません。
だからこそ、食事・睡眠・運動、そして腸内環境。
どれか一つだけではなく、毎日の積み重ねを少しずつ整えていくことが、遠回りのようで一番の近道なのだと私は感じています。
SOILcureも、「菌を増やすこと」ではなく、多様な菌たちが力を合わせて働ける環境づくりを応援したい。
そんな想いで開発・販売を続けています。
身体は、一日で衣替えしてくれるものではありません。
でも、毎日の積み重ねは、きっと未来の身体につながっています。
今年の夏は、菌たちをミカタに、一緒に身体も少しずつ”衣替え”していきませんか😊🌿
📚 今回参考にした論文・資料
今回の記事は、近年の腸内細菌や短鎖脂肪酸(SCFA)に関する研究や総説論文を参考に、専門的な内容をできるだけ分かりやすくまとめています。
「もっと詳しく知りたい!」
「論文も読んでみたい!」
という方は、ぜひ原著論文もご覧になってみてください😊
■ 短鎖脂肪酸(SCFA)と脂肪代謝・GPR43
Kimura I, Inoue D, Maeda T, et al.
The gut microbiota suppresses insulin-mediated fat accumulation via the short-chain fatty acid receptor GPR43.
Nature Communications. 2013.
■ 短鎖脂肪酸(SCFA)と食欲・エネルギー代謝
Byrne CS, Chambers ES, Morrison DJ, Frost G.
The role of short-chain fatty acids in appetite regulation and energy homeostasis.
International Journal of Obesity. 2015.
■ 短鎖脂肪酸(SCFA)の働きをまとめた総説
Canfora EE, Jocken JWE, Blaak EE.
Short-chain fatty acids in control of body weight and insulin sensitivity.
Nature Reviews Endocrinology. 2015.
■ 腸内細菌叢(マイクロバイオーム)の最新知見
Fan Y, Pedersen O.
Gut microbiota in human metabolic health and disease.
Nature Reviews Microbiology. 2021.


